プレアデス付近の星間Na線

プレアデス中および周辺部における星間Na-D線

2014.2.11. KK

化学特異星 HD23374 = 9 Tau のスペクトルに見られるNaのD線に星間起源と思しき線が重なっていることから、それを確かめるため周辺の星のスペクトルを見てみた。

1.対象とした星

 9 Tauの位置は(03h 31m、+22°54.0′)(1900年)であることから、(03h20m〜40m、+22°00'〜+24°00')の間に絞り、この領域に含まれるHD星をピックアップし、スペクトル・カタログ(ELODIE, UVES, HIDES, HDS)にあるか、調べた。 その結果、ELODIEに5星含まれていたので、これを見ることにした。

 対象となった星は以下のとおりで、結果的にはプレアデスの星ばかりだった。
   
 stars listed in the ELODIE catalog
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 23302	3h39.0m	+23°48' 3.81	B5
 23408	3h39.9m	+24 4	 4.02	B5
 22374	3h31.0m	+22 54	 6.69	A0
 23194	3h38.1m	+24 15	 8.1	A2
 23387	3h39.7m	+24  2	 8.2	B9
 23156	3h37.8m	+24  4	 8.5	A5
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 epoch:1900.0

図1.9 Tau および対象星の位置関係

2.星間Na線

 それぞれのスペクトルを並べておく。最下が 9 Tau で、2本あるD1、D2線の左が星由来の線で、右の方が星間成分である。大気線もたくさんある。

 上から3番目のHD23302のD線は両者で強度が違っているように見える。真実とは考えにくいが。

 D線は互いに微妙にずれていて、視線速度の異なる3種類ほどの成分がある。

図2.スペクトル

以上